外貨預金は危険?人気の裏に潜むデメリットとは

投資

外貨預金は為替変動の影響を受ける

外貨預金は金利が高く、初心者でも始めやすいので最近注目度を上げています。何より銀行がやっているし「預金」とついているので安全なんだろうと考える人が多いようです。

しかし金利につられて始めてみると、預けていた金額より減っていて「減るなんて思わなかった!」「そんなの知らなかった。詐欺だ!」と銀行員に詰め寄る人もいるようです。

外貨預金は預けたお金よりも減ってしまう「元本割れ」の可能性がある投資商品です。

得する例

1ドル100円の時に外貨預金で100万円分をドルで預けると、1万ドル預けた事になります。

1年後、外貨預金を全額引き出してみるとなんと120万円戻ってきました。実はその1年の間に為替相場が変動し、1ドル120円になっていたのです。

つまり、1万ドル×120円=120万円です。為替変動によって20万円も儲ることができました。

損する例

1ドル100円の時に外貨預金で100万円分をドルで預けると、1万ドル預けた事になります。

3年後、外貨預金を全額引き出してみると、なんと戻ってきたのはたったの85万円でした!2年の間に為替相場が急落し、1ドル85円になっていたのです。

つまり、1万ドル×85円=85万円です。為替変動によって15万円も損をしてしまいました。

このように預けた時より円安になっていれば利益が得られますし、円高になっていたら損をするという為替リスクがあります。

外貨預金の手数料

外貨預金が損をするもう一つの理由が手数料です。外貨預金の手数料は特に大きな負担になります

外貨預金の為替レートは「円を外貨に替えた時(TTS)」「外貨を円に戻す時(TTB)」で差があります。

例えば三菱UFJ銀行の2018年4月14日時点の為替レートを見てみると、米ドルのTTSが107.65円、TTBが107.15円となっています。

 

107.65円で買ったものを売る時に損をしないためにはここから0.5円値上がりしないといけません。この差が手数料となります。

ちなみにこれはネットバンキングでの価格となり、窓口で買うとさらに手数料が高いです。

TTSが107.65円の場合、TTBが105.65円ほどになります。2円円安にならないと損になってしまいますね。

外貨預金の例

年利1.0%の米ドル外貨定期預金(1年)を窓口で行うと仮定します。

預ける時のTTSが107.65円の場合、100万円÷107.65円=9289.36ドル預けられます。

1年間の利息は9289.36ドル×1.0%=92.89ドルで、実際には税金がかかるので92.89ドル×20.315%=18.87ドルが引かれて74.02ドルの利息となります。

引出し時のTTS、TTBが預入時と同じだとするとTTBは105.65円なので、元金の9289.36ドルと利息の74.02ドルを円に戻すと、9363.38ドル×105.65円=98万9241円になります。

なんと利息を入れても元本割れしてしまいました。それだけ手数料の影響が大きいのです。

外貨預金で利益を出す、または元本を維持するには預けた時よりも円安になっていることを想定していなければいけないということです。

このため、初心者が気軽に外貨預金に手を出すのはおすすめできないのです。

ネット銀行なら多少は手数料が安くなる

同じ銀行の外貨預金でも、窓口で預けるのとネットバンキングを使うのでは手数料が異なります。

米ドルの1通貨あたりの手数料が1円の銀行でも、ネットバンキングを使うと25銭で済む場合があります。(1銭=0.01円)

これでもFXに比べると100倍くらい高いです。FXでレバレッジをかけずにやっていた方がマシですね。

外貨取引についてある程度理解があるなら外貨預金をするのも自由ですが、どうしてもやりたいならネット銀行などの手数料が低いところを選んでやりましょう。

外貨預金の税金

外貨預金の利息も普通預金と同様、利息に税金がかかります。利息の税金は特別な手続きは必要なく、利息に20.315%をかけた金額が自動的に引かれる「源泉分離課税」となっています。

また、為替変動によって得られた利益は「雑所得」として確定申告が必要になる場合があります。ただし、年収2,000万円以下の給与所得者で、給与所得・退職所得以外の所得が年間20万円以下の場合は確定申告は不要です。

外貨預金で20万円以上の利益が出た場合は確定申告が必要となります。また、外貨預金の利益が20万円未満でも副業など他の所得と合計して20万円以上なら確定申告が必要となります。

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